万が一、貸している物件で孤独死や自殺が起きた場合、どのような対応をするべきなのでしょう。ここでは正しい手順を解説していきます。
高齢化・核家族化社会が進んでいる昨今、毎年高齢者やひとり暮らしの方の孤独死(孤立死)が増えています。
もし大家や管理人の立場だった場合、貸している物件内で孤独死(孤立死)が起こったらどうするべきでしょうか。
特殊清掃はとにかく一日でも早く対応したほうがよく、対応が1週間遅れると、作業工程が増えて金額が倍になってしまうケースもあります。
発生後のリスクやパニックを抑えるためにも、まずは貸し主がとるべき手順を知っておきましょう。
姿を見かけない、異臭がするなどで、近隣の方や知り合いの方が「おかしい」と気づくケースがほとんどです。
その場合、まずは警察に連絡をしましょう。
孤独死の場合、たとえ病死や自然死であっても警察の実況検分があり、事件性のないことが確認されてはじめて、第三者の入室が可能になります。
事件性があった場合は、遺体を搬出したあと、しばらくそのままにしておく必要がありますが、ほとんどの場合、事件性はなく、遺体は所轄の警察署の霊安室に運ばれることとなります。
この段階で身元が判明すれば、遺族にも警察署へ来てもらいます。
警察から立ち入り許可が下りたら、すぐに特殊清掃業者へ連絡をします。
まず現場を見てもらい、見積もりを出してもらいましょう。
この時点で遺族の方や保証人の方、管理人会社、大家で打ち合わせを行ない、見積もりの金額やスケジュールなどを確認し合います。
時間がかかると汚染レベルが進行してしまうので、警察からの立ち入り許可が下りるまでの間に話し合って、専門業者を決めておくのがよいでしょう。
室内の消臭、消毒作業、遺品整理、そのほか必要であればリフォームによる原状回復工事を行ないます。
最終段階の作業になれば入室も可能ですが、最初の段階で入室すると感染リスクもあるのでやめておきましょう。
また、事件現場に慣れていない方が現場を見ると、PTSDになってしまうこともあるほど、孤独死の現場は凄惨です。
無理せず、特殊清掃業者の方にお任せするのが賢明といえるでしょう。
なお、マンションやアパートの場合、共用スペース部分にも一旦荷物を置かせてもらうこともありますから近所への配慮も必要です。
今後その部屋が賃貸できるレベルまで原状回復しているか、臭いが残っていないかを確認したら、貸主への引き渡しとなります。